ケータリング1つにも
気を抜かず、
あらゆることに目を配り、
記憶に残るライブを作り出す。

ライブ制作の仕事

菊池 恵

コンテンツ事業本部
ライブ事業センター東京
中途入社 2015年入社

WORK

仕事内容

あなたの今のお仕事(現場)を教えてください

ライブを企画し、予算を立て、興行を興してお笑いを届けることが基本となります。そして、企画したライブをお客様に楽しんでいただき、利益を確保することを積み重ねていく仕事です。
担当したもので言えば、昨年の『吉本新喜劇60周年ワールドツアー』などが挙げられます。日本全国47都道府県に加え、アジア5か国もまわったもので、これは規模も動員数も含めて非常に大きなライブでした。プロデューサーとして、予算を組み、ライブ会場を押さえて、公演にまつわる運営、段取り、現地への手配や宣伝物の確認なども担当したので、新喜劇の中身を作るところ以外の部分は全部と言えるかもしれません(笑)。うちの部署で3人担当がいて分担しながら膨大な数の公演を仕切った形です。10年間ライブ制作の仕事をしてきましたが、いちばん規模感がすごかったので思い出深いものになりました。

仕事における、あなたの役割を教えてください

一言でいえば、“ライブプロデューサー”です。
ここが吉本のすごいところなんですけど、普通のプロデューサーと言うと予算の管理が主な仕事だと思うのですが、吉本のライブ制作のプロデューサーは、お弁当1個から細かな制作物、技術スタッフとのやりとり、演者さんまわりも含め、すべて把握して、すべてを取り仕切ることが求められます。お金だけを管理するのではなく、移動の新幹線のチケット手配やケータリングに並ぶお菓子1つまで、本当に全部です。本番を迎えたから終わりではなく、吉本新喜劇ツアーの本番中もロビーでキャンペーンをやりながら、大きな声でお客様をお迎えするという重大な仕事がありました。これ、すごく大事な仕事の1つなんですよ。
自分がプロデューサーをやってみて、役割の範疇が思っていたよりも広いなと感じます。とにかく、あらゆるところに目を配り、出演者やスタッフが気持ちよく仕事ができる環境づくりやお客様に楽しんでいただけるように現場を作ること。そして、次につなげていくのが私の役割だと思っています。

仕事において求められる資質

プロデューサーの重要な役割に、お金の管理が挙げられます。収支の勘定をササっと計算できる感覚が備わっていることが求められるのですが、難しいところとして、それだけでは良いプロデューサーにはなれません。「こうなったら面白そう」という自分の中の面白いという感覚×お金の管理という両輪がすごく大事なのです。お金をひっぱってくる能力ももちろん必要ではありますが、根幹であるライブ興行だけで成立させるのが大前提になる。吉本ってそれでずっとやってきた会社なので、そこはすごいですよね。お客様の視点に立ち、面白いと思うことを追求してきた結果なのだと思います。

仕事のここが面白い(やりがい)

ライブに関わるあらゆることを全部やっているからこそ、お客様や演者さんの反応に対して一喜一憂できること。イベントの会場外に記念撮影パネルを出すのも私の仕事なんですけど、楽しそうにお客様が撮影していたりすると、「ああ、こういうお客様の楽しそうな姿が見たくてこの世界に入ってきたんだった」と原点を思い出すような気持ちになれます。
あとは、会社から「今年、このライブができてよかった」と会社から思ってもらえて、さらに、そのプロジェクトがどんどん大きくなっていく、そういうことがやりがいではありますね。

仕事をする上で心掛けていることを教えてください

私はマネージャー職を経験していないので、入社後すぐは関係性のある芸人さんがほぼいませんでした。そんな中でまず大事なことは「自分を覚えてもらうこと」だと思い、まずは元気よく挨拶することを心がけました。それは芸人さんだけでなく、部署をまたいだセクションの社員にも同様だと思い、そこは本当に基本の基本として意識していたことですね。
そして、情報共有。前職でも今の仕事でも非常に大事だなと思います。いろんなものの経験値を共有することで良いものができる速度が上がる。まだまだ足りていないと思っているので、そこは自分でも意識して動いています。
そして、最後にお客様の気持ちで準備して公演に臨むということ。日々のことに忙殺されると忘れてしまいがちなんですけど、やはりこれはライブの根幹です。お客様が来てくださるからライブが成立する。だからこそ、ライブに来る前から終わった後までずっと気持ちよくいていただきたい。ライブが終わった後に演者さんからの「ありがとう」の動画をSNSでアップしたらお客様はうれしいんじゃないかとか、そういうことを考えながら、動くようにしています。

EXPERIENCE

社歴・失敗談

吉本興業に入社した動機・きっかけを教えてください

前職では大手の出版・広告会社でフリーペーパーの営業をしていました。それこそ飛込で1日40軒のような仕事をしていたんですけど、支持される媒体を営業しているという楽しさやお客様からの「ありがとう」がうれしいという気持ちもありました。ただ、営業だったので「媒体を売る」という仕事だけで、制作過程には関わっていなかった。自分が本当にやりたいのは“エンタメを制作する”という部分だなと気づきまして。
そんな時にたまたま見たネタ番組でNON STYLEさんの漫才を初めてきちんと見て、めちゃくちゃ笑ったんですよね。それでとても元気が湧いてきた。それまでは漫才とかきちんと見たことがなく、M-1も知らなかったぐらいなんですけど(笑)、その時の気持ちよさが忘れられず、「こんな機会を作れる仕事についてみたい」と思ったのがきっかけです。

吉本興業に入社して今までどんなお仕事(部署)をしてきましたか?

入社以来、10年間ずっとライブ制作なので興行ばかりですが、寄席から単独ライブ、芸人単独全国ツアー、運動会、舞台公演、沖縄国際映画祭ステージ、昨年は吉本新喜劇60周年の全国&アジアツアーなどなど担当させていただきました。

吉本興業だから味わえた経験を教えてください

ライブとは全然ちがう世界にいた私ですが、初めて自分で寄席公演を担当させてもらったのが入社して10か月後ぐらいのときでした。今考えると、うまく立ち回れていたとは思えませんが、それでもこのスピード感は吉本ならではかなと思います。
吉本という会社のすごいところって、このときの私みたいなまだ役に立つのかどうかわからないような者にも企画を任せてくれるんです。つまり、“やってみろ精神”がすごい。三年目のときに、屋外イベントなんてまったく経験はなかったのですが、いきなり運動会の話が転がってきまして。100人ぐらいの芸人さんが出るような大きな規模のものだったんですけど、まったく分からない私に任せてくれる会社ってなかなかないだろうなって思います。
ただ、任された=自分一人で勝手に進めて良いというわけではなく、任されているからこそ、先輩たちにほうれんそう(報告・連絡・相談)をしながら進めるのが大事になってきます。
ちなみに、あまりにもハードな経験で、一泊二日の企画だったんですけど、初日の夜に会議していたとき、寝てしまいまして……(笑)。そのぐらい疲労感もすごかったですけど、それを乗り越えたときの達成感もものすごかったです。

飛び上がるほど嬉しかったことは?

芸人さんから「こういうのやりたいんだけど、こういうのできますかね」と相談されることがあって。もちろん実現できる、できないはあるんですけど、芸人さんからそういう形で相談をいただく=少しは頼りにしてもらえているのかなと思い、そうやって声をかけてもらえることがまずうれしいですね。
あとは、やっぱり自分も漫才を見て笑って元気が出たというところに原点があるので、感動しているお客様の姿や「元気が出ました」と書いてくださったアンケートの一行を見ると、本当にこの仕事をやっていてよかったなと思えます。ライブ当日を迎えるまでのあらゆる大変だったことも、その一言をいただければ全部が浄化されますね。

「やってしまった!」失敗から学んだ思い出は?

力を入れていた芸人さんの単独全国ツアーの最後の演出部分で確認が甘く、芸人さんから任されていた部分だったのに思ったような締めくくり方ができず、芸人さんもお客様も不完全燃焼感が残ってしまったことがあります。隅々まで丁寧な仕事をしないといけないと深く反省したことがあります。
それ以外にも、正直、本気でシャレにならない失敗もたくさん経験しました。それでも、くじけずにやってこれたのは、変な言い方ですけど、失敗後の対応の仕方も先輩たちが教えてくれたからだと感じます。そういうときの吉本の力っていい意味ですごい。上司や先輩がちゃんとフォローしてくれる。芸人さんはもちろんですが、社員の先輩・後輩も個性豊かで発想が面白い、という環境で仕事ができます。だから尽きることなく日々が楽しいです。

吉本興業で達成したいことは?

近いところでの目標はオンラインライブの価値の創生です。コロナによってライブも形を変えつつあります。無観客有料配信というライブの形が今後は求められていくのは明白ですが、実際に目の前で楽しむのではないライブでもお客様がチケットを買いたいと思える“何か”の価値を生み出していかなければなりません。ライブの醍醐味である演者の全力感や臨場感を何らかの形で感じていただけるようなオンライン配信ライブの形を模索していきたいと思っています。
そして、将来の目標としては、もう一度、『LIVE STAND』のような、大きな大きな規模の“よしもとフェスティバル”を実現できたらと思っています。2007~2010年まで開催されていた『LIVE STAND』ですが、あの熱気といい、お客さんたちの熱量といい、本当にすごかったんですよね。音楽以外で、こんな風なフェスができるのは、エンタメではお笑いしかないとつくづく思いました。お笑いだけに特化したフェスティバルは吉本興行でこそやるべき。そういうフェスを自分の手で生み出せたらと思っています。

MESSAGE

お世話になっているあの方から

NON STYLEさん インタビュー

NON STYLE 井上裕介さん
【Q いつごろから一緒に仕事されているんですか?】
井上:
最初は2011年の時に吉本興業の自主興行の担当をしていて、2012年の年末の八景島でのイベントが最初です。 2013年からNON STYLEの単独ツアーなど、キクには色々と助けてもらっております。
まじめだと思いますし、熱意がすごくありますし、僕らのためにも会社のためにも一生懸命やっているからこそ、プライベートは充実しているのかな?と心配になる時もあります。(笑)
だから、時間配分の円グラフがほとんど仕事なのだろうなと思います。本当に一生懸命ですよね。
仕事上で、ぶつかるということは無いですが、僕が「これはやりたくない!」と一方的にわがままを言わせてもらっております。
菊池:
いやいや。(笑)それに対して私も引き下がらず、「井上さん!井上さん!やりましょう!」としつこいかもしれません。(笑)
井上:
個人としてもコンビとしても、自分としては「こっちの仕事を優先したいんだ」ということもあったりするので、それをキクがなんとか僕にやらせようとお願いしてくるときもあるので、そこで「僕はこういう考えだから」と、ディスカッションすることは割と多いですね。

【Q 菊池さんの失敗談はありますか?】
井上:
あるかなぁ? 人間だし、失敗することくらいあるとは思うのですが、僕の耳には入ってこないですね。石田のほうには話がおりてきて、石田と色々と相談していることはあるかもしれないですけどね。コンビのバランスとしては、石田が細かいことを決めてくれてたりしているので、ひょっとしたら僕の知らないところで、色々とあったりするのかもしれませんが、僕自身はキクが失敗してるなぁと感じるようなことは一度も無いですね。
菊池:
井上さんのところまで話がいって、ご迷惑をおかけするようなことがあれば、私はすでに“チームNON STYLE”を破門されてますね。(笑) 井上さんにはとても優しくして頂いております。

【Q 逆に、菊池さんに感謝していることは?】
井上:
こうやって心知れた仲間がいるから我々も仕事できますし、仲間のために頑張ろうと思ったりもしますね。ツアーとかライブの打ち上げでは菊池さんと一緒に食事をしながら、キクと話すことが多いですし、日々感謝してます。そんな絆でつながっているからこそ、お節介ですが早く結婚もして欲しいですね。同い年で、お互い独身なんで。(笑)もう少しだけ力を抜いて、プライベートも充実できるようにそちらも頑張って早く結婚の報告を聞きたいですね。
菊池:
都度、ご報告させて頂きます!(笑)


NON STYLE 石田明さん
【Q 菊池さんにもう少し直してほしいところはありますか?】
石田:
全国ツアーもすごく前向きに考えてくれます。僕も全国ツアーは色んな都市を多く回りたいタイプなので、菊池さんが色んな会場をおさえてくれるので嬉しいですね。
【Q ツアーの内容は石田さんと菊池さんで作り上げていくイメージなのでしょうか?】
菊池:
他の芸人さんのツアーはスタッフも多いし、作家さんが入っていて、作家さんが芸人さんがやりたいであろうことを深く組み立てていくことが多いのですが、NON STYLEさんの場合は、全部その役割を石田さんが担っておりまして、作家さんも入っていないのです。だから、舞台監督さん、音響さん、照明さん以外は、NON STYLEと私だけという、少数精鋭のスタッフ体制でやっているのです。
石田:
少数だからこそ、ちゃんとみんなで利益を上げようというチームです。(笑)
菊池:
なので、私に任された仕事内容は、石田さんが固めた内容をチームのみんなに、「こんなのどうだろう」と言ってくれるものに対し、舞台監督さんと準備の分担をする感じです。でも、ほとんど石田さんの中で完成していて、あとはNON STYLEのお二人が舞台に立てば完成ってところまで作りこんで頂けるので、あとは私たちでお客様の迎え方などをしっかりやらせて頂こうと思っております。 注意を頂いております。
石田:
そうですね。僕の中でここだけはしっかりやって欲しいポイントがありまして、それは、“打ち上げはをちゃんと美味しい店を見つけておさえる”。 これさえやってもらえたらOKです。(笑)
菊池:
ははは(笑)
石田:
僕らは全国ツアーを全箇所同じスタッフで回るんですよ。そこはこだわってまして、同じチームでやったほうがリハーサルも早いですしね。現地のスタッフさんにお願いすれば、交通費も安くおさえられるところを、あえて東京からスタッフさんに一緒に行ってもらうので、どうしても人件費をおさえなければならない。だから、せめて打ち上げでは美味しいものを食べて、楽しい気持ちになって頂きたいのですよ。
NON STYLEのツアーは楽しいなぁ、いい思い出になったなぁとスタッフさんにも、お客さんにも思って頂きたく、ここは絶対に妥協は許さないようにしております。なので、そこが欠けていると石田が打ち上げ会場で豹変するっていう・・・笑
【Q 今でも覚えている失敗談は?】
菊池:
まだツアーの担当になって間もない頃、技術さんに関係性とかも考えずに予算の数字だけを見て、別の方にお願いしようと動いてしまったことがありまして、「技術さんとノンスタイルとの積み上げてきたチームの信頼関係をどう思っているんだ!」と、打上会場で石田さんにめちゃくちゃお叱りを受けた時がありました。
石田:
ははは(笑)
石田:
会場のロケハンもわざわざ行かせてくれたりするので、感謝してますね。妥協しない人になったなぁと思います。僕がこだわっている利益よりも内容重視するやり方で、チラシ一枚もすごくこだわってくれるので、もう僕が何も言わなくても良いクオリティを求めてくれてます。
菊池:
そういうのは石田さんが教えていただきました。どうやったらお客様にワクワク、ドキドキしてもらえるのだろうと、お客様と同じ立場になって考えているんだと石田さんに教えて頂き、私も最近ではそのような見方でチラシ一枚作るにもこだわるようになることができ、石田さんにも自信を持って提案できるようになったかと思います。石田さんに、「オレもそれが良いと思ったよ」と言ってもらえるようになったのが最近で、約10年たってやっとこのレベルまでたどり着くことができました。笑
石田:
もうたくましい存在ですよ。軽トラック自分で運転して、東北の会場までひとりで来てしまうとかして、「たったひとりでそこまでするのかい!」という、こんな力強い人がいるんだなぁと感心しております。(笑)
【すごい信頼関係で結ばれてますね。】
石田:
ここ10年で一番、お酒を飲みに行く機会が多い社員さんかもしれませんね(笑)。菊池さんも、次のステップに来ていて、どんどん人に任せる立場になっていかなければならないと思うので、ここでまた壁にぶつかるんだろうなぁと思います。これからも頑張ってください。

社員から知る吉本興業