今の仕事(内容・役割)を教えてください
テレビやネット配信コンテンツなどの番組ディレクターとして、映像制作全般を行う業務をしています。
各番組によってやることは異なりますが、企画提案から美術発注、台本作成、カメラマン、ロケ進行、タレント打ち合わせ、カメラ割り、編集など様々なことを行います。
現在レギュラーでは、フジテレビの『千鳥のクセスゴ!』などを担当しています。
仕事をする上で心掛けている事を教えてください
視聴率が良くても、見た人が不快になるものや出演した芸人さんが「出て損をした」と思うものはつくりたくありません。
視聴者の方も演者もスタッフも、誰も傷つかないコンテンツをつくることは意識するようにしています。
特に出演者には、細かい気づかいやリスペクトを忘れないようにしています。打ち合わせでも「あなただからこの仕事をオファーしました」とキャスティング意図を丁寧に伝えますし、番組づくりの方針も明確に伝える。
そこまでするのは大変ですが、向き合って話すと演者さんもより責任感を持って番組に取り組んでくださるので、大切な時間だと思っています。
仕事のやりがいを教えてください
映像コンテンツをつくる仕事には必ずゴールがあり、毎回作品が完成すると達成感があります。
また、完成させたものに対しての評価も絶対についてくるので、そういう意味でもやりがいを感じます。
視聴者の反応は何年やってもドキドキしますが、「こんなの見たことない」とか「この芸人さんはやっぱり面白い」という声があるとすごく嬉しいです。
入社した動機・きっかけ
子どもの頃からお笑いが大好きだったので、「お笑いを仕事にしたい」という気持ちで、吉本興業に入りました。
だから最初は、ディレクターになりたかったわけでもないんです。
吉本興業には、AD・アルバイトとして2004年に入社して、その後契約社員を経て、2016年に正社員になりました。
吉本だから味わえたことはありますか?
芸人さんと働ける環境が素晴らしいと思います。芸人さんはプロ意識が高く、その方々と一緒に仕事をすることで、こちらも緊張感と責任感を持つことができる。この環境は、ほかの業界では絶対にないことだと思います。
20年間働いてきて一番嬉しかったのは、明石家さんまさんのコメント撮りをした時。
1分くらいの短いコメントを撮影しただけなのですが、最も緊張したし、最も楽しかったです。
皆さんおっしゃいますけどカメラが回っていない時から面白い方で、お笑い好きとしては最高の時間でした。
これからの映像コンテンツの可能性についてどう思いますか?
私は映像コンテンツの未来を悲観的に考えてはいません。
メディアもますます増えているし、企画も撮影も編集も1人で何でもできる時代になったので、むしろ楽しい。作り手にとっては、すごく良い時代が来ていると思います。
昔は大きなカメラでロケをやっていたのが、今は小さいスマホで同じ画質で撮ることができるようになった。こうした技術の進化とともにルールが毎年のように変わるので、私もついていくのに必死です。
吉本興業で映像制作を行う魅力とは?
「やろうと思えばなんでもできる」ことが魅力だと思います。
「テレビの仕事がしたい」と言う人もいれば、「YouTubeの編集がやりたい」と言って、そればかりやっている人もいる。NetflixやAmazonプライムなどの配信番組をメインにする人もいますし、自分の好きなメディアで映像制作をすることができます。
また、お笑いだけに限らず、恋愛リアリティーショーやドラマなど、オールジャンルつくれるのも魅力です。
「本気で報道がやりたい」というのなら、それもBSよしもとなどでやらせてもらえると思いますし、これから入社する方はお笑い好きではなくても問題ないと思います。
今後の目標を教えてください。
毎年多くの芸人さんが出てきて、多くのスターが吉本から出ます。最近では海外で活躍する芸人さんも出てきました。その方たちと一緒に、海外向けの映像コンテンツをつくってみたいです。
吉本興業を志望している人に向けて一言
どうすれば視聴者が楽しんでくれるか、どうすれば芸人さんが輝くか、もっと番組が面白くなるかを、日々考えて作業しています。
だから、根本的に仕事が楽しいです。前向きなことばっかり考えるんですから。
また、この会社はキャリアがそこまで関係がありません。
1年目の若手でも、面白い企画を出せば「やってみよう」となる会社なので、チャンスがあって、働きやすい環境だと思います。